【表現の“プロ”という名の幻想】完全版

どうも!
令和の品行方正な俳優諸氏の皆さま。

アクティングトレーナー&ドクターのSakuです。


もはやSNSの方が僕のブログと化して早1年弱。

最早ブログなんぞ見てくれている方いるんですかね!?(やけくそ)


でもまあ、SNSはかなりマイルドに書かないといけませんし、ブログにしか書けない本音的な何かはこっちに書こうと思っております( ´艸`)


そう。

確かに僕というナマケモノは一年間ブログを放置して書きませんでした。

ええ、それは事実です。
なので、こっちはSNSに投稿した内容に+αでアグレッシブに行きます。


そうなんですよ。

正直、SNSは皆さんの理解度を優先しているので、かなり薄い&事なかれ主義です。


実際お会いした方の言葉を引用すると、

「想像の数百倍濃かった」「ドクターかと思ったら、歩く大学病院だった」「優しい口調なのに悪魔的」「自分がSakuを見る時、Sakuもまたこちらを見ている…」「世が世なら魔女狩りに遭いますよ」

等々のご意見からも垣間見える通り、実際に会うとこんな印象のようです。


(えっ、ちょっと後半の方は言い方悪くね? 誤解されますよねェ!?)


ハイ! どうでもいい雑談はここまでにしましょう。


それにしてもシーズンですね~!

新たな季節も徐々に近づき、チャンス獲得の為に事務所を移籍したり、入ったりする方も多い時期です。

2月3月は、案件獲得のために、様々な方が躍起になる時期と言えるでしょう。


この時期になると、様々な方から「プロとして生きていきたい」とご相談頂くのですが、なかなか返答に困ることが多くて。


なんでかというと、ご質問頂いたクライアントさまご自身もディティールが見えていない事が大半だからでして。


なので今回は、そういう質問に答えるのが面倒ーーーという訳ではなく!

ちゃんとノウハウを知って、不利益を回避しましょう!

という内容でお送りします。


テーマは、「表現のプロという名の幻想」

なんで幻想か?と書いたかというと、

プロという概念は、他人が決めるものではなく、自分の現在に合わせて定義するものだからです。


まずは、以下の項目をご覧になってください。

そして、どの部分を満たせばプロに定義されるのか? を理解しましょう。


➀ 年収充足
② 稼働率向上(案件取得率)
③ 知名度上昇
④ 作品貢献(面白い作品に出演する)
⑤ 承認欲求充足


もちろん、これは一例です。

しかし、まずは現状の皆さんがお望みの「プロ」はどんな形をしており、何を満たせばプロ足りえるか?をしっかり見ていきましょう。


この部分が定まっていないとなかなか提案も出来ませんし、改善も勿論ふわっとします。

つまりは、うまくいきません。


なぜならば、上記のどれを選択するか?で明確に手段と実行方法が変わるからです(^ω^)


分解してみるとわかるのですが、プロフェッショナルの生き方を望んでいるわけではなく、実際には生活の安定を望んでいる事が大半です。


それもそのはず。

プロはご自身のコンテンツで「食えて」「生活できている」からです。


ちなみにどれを選んでもご自身を卑下する必要はありません。

重複しても構わないと僕は思っています。


まずは遠慮なくご自身の望みを正直に捉え、それにそった考え方をしてみましょう。

そして、選んだ内容が如何に即物的に見えたり感じたりしても笑い飛ばしてください。

おススメの笑い飛ばし方法は「わ~エグッ! でも知っとったわーい★」とツッコミを入れる事です。


そうそう。

時期によって、➀~⑤は変動しても全く問題がありません(; ・`д・´)レッツ フォームチェンジ!


令和の昨今では、良い作品に出て腕を振るいたいというピュアな気持ちだけではどうしても通用しなくなってきています。


表現のプロがやるべきことは、表現に徹底的にコミットすることです。

つまりその最低条件は、「生活」「表現活動」が成り立ってようやく…というのが現状ですし、これは皆さんも薄々気付いているのではないでしょうか。


ぶっちゃけ、大事になるのは、

〇 お望みをきちんと『実行』にシフトできるか?
〇 そのための材料は揃うか?

ですからね。


望んだ『目的』に対し『戦略』を立てられるか?/立てているか? が非常に大事になると言い換えても良いでしょう。


具体的に、鮮明にやるべきことをやれるか。

これが命題です。


きちんと活動がうまくいっていると、必要だと思われるものは集まりますし、集まらないと実行できないわけです。


それが足りていないので「プロの条件に至っていない」=「不満足」につながっている方が多い印象です。


行動力が全てとはよく言ったもので、それもそのはず。


だって、行動しないと手に入りません( ´艸`)


なので、効率的かつ負担なく行動が大事になります。

時が経って振り返った時、プロと呼ばれているくらいがちょうどよいと思います。


ちなみに僕の思うプロの条件は「どんな状況でも生き抜ける事」です。


とまあ、SNSではここを一区切りにしたのですが、今回はここで終わりません。


更に倍プッシュだ…!


この考えに更に補填を加えます。


なぜなら

こんな生ぬるい万人向けの言葉吐くなんて…
アンタ…日寄っちまったのかョ…?


と湘南〇走族に出てくるキャラクターの如く思っている方もいるでしょう。

そういう方は頭の上に「!?」という独特のマークが出ているに違いありません。


安心してください。
ここからです。


上記の項目なんて出来ていて当然。当たり前。常識常識ィ!

僕/私はプロの条件を満たしているッ!


とお考えの方にさらに朗報です。


では、事業計画書を書いてみましょう!


先に断っておきますが、実はこの内容。

大手の芸能事務所さんの新人教育で毎年阿鼻叫喚を生み出す代物です。


しかし、売り出そうとする人材を抱える事務所のスタッフさんは口をそろえて「これが欲しかった!」と快哉を叫んでくださるコンテンツになります。


名付けて「アクティング・スキーム」。


もし、お時間のある方で勇気のある方は、紙を用意して、以下を書き出してみてください。

―――――――――――――――――――――


➀ ご自身の一番の特徴・強み(メインになるセールスポイント)
② 顧客レイヤー(男性/女性比率 年代別ファン層や職業)
③ 顧客にどのように思わせられるか(雇用者/ファン両方に対して)
④ 目標とプロセス
⑤ ビジュアル化 (どこまでプロセスが進行しているか)


――――――――――――――――


更に可能であれば、以下もトライしてみてください。


Ex⑥ 顧客の反応はどういうものであったか/雇用先やファン層からはどんなフィードバックを頂く傾向にあるか

Ex⑦ 上記に対し、どのような補填や修正を行い、リリースを行ったか。また返ってきた反応はどのようなものだったか。

Ex⑧ 結果としてここ数年の年収はどのように変化したか。


※ ここまではSNSに記載した内容と同じです。ですが、最後にEX⑨と⑩を追加してますのでお付き合いください。

―――――――――――――――――――


ちなみに、➀~⑧までの項目が、全部具体的に書けていたとしたら間違いなくプロです。

殆どの人は、書けませんし、書けたとしても商品として不明確な部分が多く、再提出を余儀なくされるでしょう。


わかりづらいかもしれませんので以下に項目を説明していきます。


まず➀は、あなたはどのような商材をお持ちか?を御記載ください。

現在、芝居や演技、ないしはそれに関わるもので、一番売上が上がっている業務にヒントが在ります。

(書けなくても大丈夫です。次にドンドン進んでください。)


②は、ご自身を支持して下さるファンの皆さまの分析です。

簡単に言うと、ファン層が何歳くらいの幅で存在し、どんな方がいるのか?

どんな方に刺さるのか?を考えて記載しましょう。


③は、「利用してくれるファンの皆さま」と「制作会社や事務所」にあなたの商材を提供して、どう思わせたいか?になります。

簡単に言うと、ご自身を起用すると、どんなメリットを雇用側と視聴側に提供できるか?

ですね。


④は、ご自身が表現業を通じてどのような目標を果たそうとしているかを書いてください。

どんな目標でも構いません。

(例えば年収500万を達成する…とかでも大丈夫です。)

その目標に対してどんな風に、計画を立てているかを書きましょう。

ここはなるべく詳細に書けるだけ書くと良いと思います。

これが「事業計画書」の土台になりますので。


そして⑤です。

実際にチェックしましょう。

上記の計画書がこれまでにどんな風に進展してきたか。

または達成されてきているかをチェックしてみてください。


以上です。


全て具体的に書けた方は、何らかの形で世に出ており、顧客からのリターンがあった方でしょう。(ないしはその基準に順ずる方でしょう)


その上で、商品を精査し、何度も世に提供していないと、実は明確に➀が出てきませんからね。


しかしながら、安心してください。


もしここで、どこかの項目が書けなかったとしても(もしくは全部満足に書けなかったとしても)心配する必要はありません。


➀~⑤のどこかに設計図を満たすための欠片が落ちています。


ご自身が御記載された内容を分析すると、恐らく以下の事が書かれていると思われます。

(あくまで一例ですが、ほとんどこのパターンになります。)


〇 チヤホヤされたい
〇 年収を上げたい
〇 現場回転率/出演率を上げたい
Ex 良い作品に出演して、世の中をアッと言わせたい


上記は、どれを選んでくれても構いません。

幾つあっても構いません。


大事なのは、これらの気持を否定する事ではなく、現在お持ちの想いを発展させていくか?になります。

原動力は、反社会的でない限り、なんでもウェルカムです(∩´∀`)∩


ちなみに➀~③は在るけれど、上手く行っていないと感じる方は④~⑤に問題があります。

まずはご自身の「事業計画書」がきちんと機能しているかを判断してください。


そして、④~⑤が機能していない原因は、➀~③に必ず存在しています。

場合によっては、ツール(事務所/芸風)を変える事も検討しなければならない事もあります。

また、そうでない場合は、ご自身の商品開発とセールスに問題がある可能性もありますね。


全て書けなかったという人もいると思うのですが、それはそれでチャンスです。

これから効率的に、作っていけば良いんですから。

まずは、やるべきことが明確になること。

これが大事です。

そうすると、後は
『あなたがやるか/やらない』か
の問題だけが残ります。


書けていない場合は、ここで「やらない」を選択した際は、残念ながら試合終了です( ;∀;)

事業の進展は見込めません…。


飲食店の4~7割は数年で閉業すると言われていますが、俳優の廃業率はそれよりもっと残酷です。

事実、9割強がいずれ業態から去っていく、超絶シビアな世界と言って良いでしょう。


そういう意味で、皆さんは個人事業主ですから、事業の見通しを立てたほうが良いと思われます。


勿論、今回の投稿が全ての「プロの基準」ではありませんからご安心くださいね。


しかし、他の業種の方が開業する時は、こういう事を考え、具体的に実行していく場合が大半だという事は覚えておいてください。


ただでさえ、表現は、形の無いものを売る商売ですから、なかなか値段や価値が付けづらいんです(´;ω;`)


ですから、プロとして成立するかどうかは、こういったご自身の強みと発展が描けるかどうかにかかっていると僕は感じています。


プロなんて概念に踊らされてはダメですよ。

生活が出来て、多くの作品に従事し、自分らしく生きる。

令和の芸能界は、シビアですから、これをまず満たしましょう。

好きな事を追求していかないとプロにはなれませんからね。


―――――と、ここまではSNSの通りです。


しかし、ここはブログ。

僕のメインのフィールドです。

最後まで読んでくれた方にのみ見る事が出来る禁じられた項目を追加で解禁します。


実は、普段は相当の事が無いと出しませんが、毎年出張をさせて頂いている大手の芸能事務所さん数社からご要望があったときのみ、EX⑨と⑩を追記しています。


太鼓の達人で言えば、「おに」モードってやつですね。

もう一回遊ぶドン!


EX⑨ 年収が『ご自身の年齢 × 2倍 × 12カ月 × 1万円』を満たせているかどうか。


EX⑩ また⑨の年収を、向上・維持させるシステムや次の演技商品は構築できており、俳優・事務所共にそれらを生み出せる構造にあるか。


以上です。

SNSには控えましたが、EXの⑨がかなりの難敵です。

これを満たしていないとプロとは言えません。

なぜならば売れている方の月収を統合していくと、概ねこのくらいの金額になるからです。

また、家族を養ったり、有事の際や老後に余裕をもって生きて行けるだけの年収ーーーとなるとこうならざるを得ませんでした。


ここは普段、絶対に書かないでいる部分なのですが、やっぱり売り上げを意識させたい事務所になると上記の『数字部分』を大事にしたがります。


僕は数字が全てではないと思っていますが、やはりこの部分は指標になりますし、モチベを上げるのに大事になる部分だと感じます。


(注意:手取りでなくても大丈夫です。手取りで達成しているならもう完全に商業俳優さんでしょう。猛者認定待ったなしです!コロナ禍前までは年齢×3倍が妥当とされていたんですよね。)


某超大手の芸能事務所の代表さんが「これは一流しか書けないね。若手のプライドを刈り取りに来てやがる…!」とボヤいた代物です。それなりの攻撃力はあると自負しております。


ただし、その後に「売れてるという事は、数字で還元されてしかるべきですからね。ここが伴わなければ、意味が無いですしね。腕があるなら、プロなら、売り上げは上げて当然でしょうから。」と笑顔で爽やかに言い放った姿を僕は忘れません。


如何でしたでしょうか!

今回は、最後にガチプロの水準まで記載しましたが、別段記載できなくても凹む必要はありませんからね。

ただ、有事の際に「お金が無くてにっちもさっちもいかないよ・・・」となった方を僕は何人も見ています。

お金も地位も名誉も必要だと僕は思います。


その時が来るまでにどのように備えるか?これが本当は人生においても大事な事なんだと昨年、祖母が他界した時に僕が身に染みて思った事でもあります。


それに、令和の世の中はそれが無いと、良い作品にキャスティングされる確率が本当に減りましたしね。


でも、だからこそ皆さん、羽ばたいてほしいと思っています。

困ったらいつでも思い出してください。
上記の全てを達成するには時間もかかりますし、そうなれるのは相当の努力が必要です。


が、僕はそのために存在しています。
まずは年収と回転率を上げていきましょう!


では! またどこかで~!

TAS studio

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